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shigshig

気ままに使うブログです。

涙雨に傘(リオヌヴィSS)

リオセスリの過去を盛大に捏造しています。



最近傘を差してもあの人は残念そうにしなくなった。

初めて俺があの人に傘を差した時、睨めつけられこそしなかったものの、隠すようにため息を小さく吐いたものだから、あぁ今自分は余計なことをしたんだな、と思ったものだ。

以来彼に傘を差すことは戸惑う行為となってしまったのだが、それでも俺は差すことを止めなかった。二人きりの時は俺しか見ていないので敢えて差さないようにしたが、街中を歩く時はそうもいかない。街中では人の目がある。いくらフォンテーヌ人が雨に慣れているとはいえ、国の最高審判官と並んで歩くのに自分だけ傘を差しているなんてあまりにも罰当たりすぎる。

ゴシップが三度の飯よりも美味しい国民性だ。そんなところを写真で抑えられでもしたらあっという間に国中に広まることだろう。やれ無礼な男だとか、審判官様と隣に立つべきではないとかなんとか。例え俺がメロピデ要塞の公爵だと知らずとも、そんなことは民草には関係の無い話である。


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アル・サウラの狼煙 4章途中まで

  IV  ダビーハを捧げる
 眩い光とともにセノたち一行の前に現れたのは、白い妖精のような――本人曰くテイワットのガイドらしい――少女、パイモンを連れた旅人の空だった。
「セノ、カーヴェ、アーラヴから話を聞いたよ。良かったら俺も手伝わせて」
 思わぬ旅人の登場によりセノとカーヴェはワッと旅人たちへと駆け寄る。すると旅人の傍にはパイモン以外にもう一人――一匹と言うべきか――の影があることに気付く。見慣れぬそれはまるで花の花弁のような姿をしたピンク色の精霊だった。

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